Gマーク(安全性優良事業所)取得完全ガイド【2026年最新版】

Gマークは、単に認定を取得することが目的ではありません。

運送会社には、事故を防止し、法令を遵守し、荷主や社会から信頼される営業所であり続けることが求められています。その安全管理への取組を第三者の立場から評価する認定が、Gマーク(安全性優良事業所認定)です。
一方で、「何から準備すればよいのか分からない」「審査では何を確認されるのか」「取得後はどのような管理を続ければよいのか」と悩む事業者も少なくありません。
近年は物流関連法令の改正や荷主によるコンプライアンス意識の高まりなどを背景に、運送会社に求められる安全管理の水準は従来以上に高くなっています。そのため、Gマークは単なる認定ではなく、自社の安全管理体制を見直し、継続的な改善につなげるための重要な機会となっています。

本記事では、Gマークの概要から取得条件、審査内容、申請手続、更新時の留意点、さらに巡回指導や監査との関係まで、実務の視点から詳しく解説します。

第1章 Gマークとは

Gマーク

Gマーク(安全性優良事業所認定)は、公益社団法人全日本トラック協会が実施している安全性優良事業所認定です。
安全性に対する取組が一定の基準を満たしている営業所を認定するもので、認定を受けた営業所は、所定のルールに従ってGマークを車両やホームページ、会社案内などに表示することができます。
Gマークの「G」は、good「良い」とglory「繁栄」の頭文字に由来します。安全性に積極的に取り組む営業所であることを社会へ示すシンボルとして広く活用されています。

なぜGマークが始まったのか

トラック輸送は、日本の物流を支える重要な社会インフラです。
その一方で、交通事故や法令違反が発生すると、荷主や消費者、地域社会へ大きな影響を及ぼします。そこで、安全性の高い運送事業者を第三者の立場から評価し、荷主が安心して運送会社を選択できる環境を整えることを目的として、2003年度からGマーク認定が開始されました。
現在では多くの営業所が認定を受け、安全管理体制の充実や事故防止活動に取り組んでいます。

国土交通省との関係

Gマークの認定主体は公益社団法人全日本トラック協会ですが、国土交通省もトラック運送業における安全対策の一つとして位置付けています。
認定基準には、貨物自動車運送事業法や道路運送法令などに基づく法令遵守、安全管理、事故防止への取組が反映されており、運送会社に求められる基本的な管理体制が総合的に評価されます。
また、国土交通省は、Gマーク認定事業所の事故割合が未取得事業所と比較して半分以下であることを公表しており、安全管理に取り組む営業所を判断する一つの目安として紹介しています。

認定されるのは会社ではなく営業所

Gマークは会社単位ではなく、営業所単位で認定されます。


例えば、本社営業所だけが認定を受けている会社もあれば、複数の営業所がそれぞれ認定を受けている会社もあります。
そのため、複数の営業所を運営している場合は、営業所ごとに申請を行い、それぞれが認定基準を満たさなければなりません。
荷主がGマーク取得状況を確認する際にも、会社名だけではなく、どの営業所が認定を受けているかを確認することが重要です。

Gマークは取得して終わる認定ではない

Gマークは、一度取得すれば終わりという認定ではありません。
認定後も、安全管理体制を維持し、法令を遵守しながら継続して取り組むことが求められます。
更新時には、認定後の安全管理の状況も確認されます。そのため、日頃から点呼、運転者教育、健康管理、運行管理、整備管理などを適切に実施し、その結果を記録として残しておくことが重要です。
Gマーク取得に向けた準備は、申請書類を整えることから始まるのではありません。
営業所全体の安全管理を見直し、その取組を日常業務として継続することが出発点です。その積み重ねが事故防止につながり、法令遵守につながり、荷主や取引先から信頼される営業所につながっていきます。

第2章 Gマークを取得すると何が変わるのか

Gマークは、安全性優良事業所として認定を受けた営業所であることを示すものです。
認定を受けたからといって、直ちに仕事が増えたり、監査を受けなくなったりするわけではありません。
一方で、荷主、金融機関、保険会社、求職者など、運送会社と関わるさまざまな立場の人が、安全管理に継続して取り組んでいる営業所かどうかを判断する材料の一つとして活用しています。
Gマークの価値は認定証そのものではありません。日常の安全管理を第三者が客観的に評価している点にあります。

荷主からの信頼につながる

運送会社を選定する荷主は、運賃だけでなく、安全管理や法令遵守への取組も重視しています。
近年は物流関連法令の施行により、荷主にも物流の適正化へ取り組むことが求められるようになりました。そのため、委託先の運送会社がどのような安全管理を行っているかを確認する企業も増えています。
その際、Gマークは判断材料の一つになります。
もちろん、Gマークを取得していない運送会社が安全ではないという意味ではありません。しかし、第三者による認定を受けていることで、安全管理への取組を説明しやすくなることは大きなメリットです。

新規取引で評価されることがある

荷主や元請事業者の中には、新規取引先を選定する際にGマーク取得状況を確認している企業があります。
応募条件として取得を求めるケースもあれば、複数社を比較する際の評価項目の一つとして取り扱うケースもあります。
また、業界の「トラック運送業における適正取引推進、生産性向上及び長時間労働抑制に向けた自主行動計画」では、実運送事業者を継続的に評価する項目として、Gマークの継続認定、安全対策、社会保険加入状況、交通事故発生状況などを定期的に確認することが示されています。

このように、Gマークは営業活動において一定の信頼性を示す材料として活用されています。

採用活動でも安心感につながる

ドライバー不足が続く中、求職者は給与や休日だけでなく、安心して働ける会社かどうかも重視しています。
点呼や健康管理、運転者教育、安全会議などを継続して実施している会社であることを示せれば、応募者に安心感を与えることができます。
そのため、求人票や採用ページでGマーク取得を紹介している運送会社も少なくありません。
もちろん、Gマークだけで採用が成功するわけではありませんが、安全を大切にする会社であることを客観的に伝えることができます

金融機関や保険会社へ説明しやすくなる

金融機関が融資を判断する際には、会社の経営状況だけでなく、事故リスクや管理体制を確認することがあります。
また、保険会社でも、安全管理への取組状況を確認する場面があります。
Gマーク取得だけで融資や保険料が決まるわけではありませんが、安全管理に継続して取り組んでいる営業所であることを説明する資料の一つとして活用されることがあります。

社内の管理体制を見直すきっかけになる

Gマーク取得に向けた準備では、点呼記録簿、運転者台帳、教育記録、健康診断、安全会議、整備管理など、多くの帳票や管理方法を確認することになります。
その過程で、担当者ごとに異なっていた運用方法が統一されたり、記録漏れが見つかったりすることも少なくありません。
結果として、営業所全体の安全管理が見直され、巡回指導や監査にも対応しやすい管理体制につながります。

Gマークがあっても事故や行政処分は防げない

誤解してはいけないのは、Gマークを取得していれば事故が起きない、巡回指導や監査を受けない、行政処分にならないというものではないことです。
認定後に重大事故や法令違反が発生すれば、行政処分の対象となることがありますし、更新審査にも影響する可能性があります。
Gマークは、安全管理が一定の水準にあることを評価する認定であり、その後も継続した取組が前提となっています。

Gマーク取得は経営改善のきっかけにもなる

Gマーク取得を目指す過程では、多くの営業所で安全管理体制の見直しが行われます。
帳票を整えるだけではなく、運転者教育、安全会議、健康管理、事故防止活動などを改めて確認することで、営業所全体の管理レベルが向上するケースも少なくありません。
認定を取得することが最終目的ではありません。
営業所全体で安全管理を継続し、事故を防止し、法令を遵守し、荷主や従業員から信頼される会社を目指すことこそが、Gマーク本来の価値といえます。

第3章 Gマーク取得の条件

Gマークは、申請すればすべての運送会社が取得できる認定ではありません。
安全性優良事業所として認定を受けるためには、一定の要件を満たしたうえで審査を受ける必要があります。

Gマークを申請できる事業者

Gマークを申請できるのは、一般貨物自動車運送事業の許可を受けて営業している営業所です。
認定の対象は会社全体ではなく営業所ごとです。そのため、本社営業所のみ申請することもできますし、複数の営業所を運営している場合は、それぞれの営業所ごとに申請することもできます。
審査も営業所単位で行われるため、本社営業所が認定を受けていても、支店や他の営業所が自動的に認定されるわけではありません。

新規許可を取得した直後は申請できない

Gマークは、営業を開始したばかりの事業者が直ちに申請できる認定ではありません。
申請には一定期間の営業実績が必要とされており、その期間中に点呼、運転者教育、健康診断、適性診断、安全会議などが適切に実施されていることや、事故・行政処分などの状況が審査対象となります。
新規許可を取得した営業所では、まず法令に基づく運行管理体制を整え、日々の業務を適切に実施し、その記録を継続して保存していくことが重要です。

営業所単位で認定される理由

Gマークが営業所単位で認定されるのは、安全管理が営業所ごとに行われているためです。
運行管理者や整備管理者の配置、点呼の実施方法、運転者教育、安全会議などは営業所ごとに運営されています。
そのため、本社の管理体制が優れていても、個々の営業所で適切な安全管理が行われていなければ認定を受けることはできません。
複数の営業所を運営している会社では、それぞれの営業所で同じ水準の安全管理を継続することが求められます。

認定期間と更新

Gマークは、一度取得すれば永久に有効となる認定ではありません。
認定期間が満了する前に更新審査を受け、引き続き認定基準を満たしていることを確認してもらう必要があります。
2026年度現在の運用では、新規認定の有効期間、初回更新後の有効期間、さらにその後の更新では認定期間が異なります。
一般的には、新規認定は2年間、初回更新は3年間、2回目以降の更新は4年間となっています。ただし、認定期間や更新方法は見直されることがあるため、申請年度の募集要領で最新の内容を確認してください。
更新審査では、認定取得後も点呼や運転者教育、健康管理、整備管理などが継続して実施されているか、事故や行政処分の状況に問題がないかなども確認されます。

認定を受けるために最も重要なこと

Gマークは、申請書類を提出すれば取得できる認定ではありません。
日頃から適切な点呼を実施し、運転者教育や健康管理を継続し、安全運行を支える管理体制が営業所に定着していることが前提となります。
そのため、申請直前だけ帳票を整えるのではなく、日常業務の中で法令を遵守し、その結果を記録として残していくことが重要です。
実務では、「申請のための準備」と考える営業所ほど苦労し、「日常管理の延長」と考えている営業所ほど、無理なく認定を取得し、その後の更新も継続しています。

第4章 Gマーク審査の仕組み

Gマークの審査は、申請書類を提出すれば認定されるものではありません。
営業所が日頃から安全管理を適切に実施し、その内容を記録として残しているかを総合的に評価する仕組みとなっています。

審査は、大きく3つの評価項目で構成されています。

評価項目Ⅰ 安全性に対する法令の遵守状況(40点)
評価項目Ⅱ 事故や違反(行政処分)の状況(40点)
評価項目Ⅲ 安全性に対する取組の積極性(20点)

総配点は100点です。
認定を受けるためには、総合点80点以上であることに加え、それぞれの評価項目で基準点を満たす必要があります。

評価項目 配点 基準点

評価項目Ⅰ 安全性に対する法令の遵守状況 40点 32点

評価項目Ⅱ 事故や違反(行政処分)の状況 40点 21点

評価項目Ⅲ 安全性に対する取組の積極性 20点 12点

合計 100点 80点以上

つまり、総合点だけ高ければ認定されるわけではありません。いずれか一つの評価項目が基準点を下回ると、認定を受けることはできません。

評価項目Ⅰ 安全性に対する法令の遵守状況

最も配点が高く、実務上も重要となるのが「法令の遵守状況」です。
点呼、運転者台帳、運転日報、適性診断、健康診断、運転者教育、整備管理、運行管理など、運送会社として法令で義務付けられている事項が適切に実施されているかが確認されます。
審査では、「実施しています」という説明だけでは十分ではありません。
実施した事実を客観的に証明できる帳票や記録が保存されていることが重要です。
日頃から適切に管理している営業所であれば問題ありませんが、申請直前になって帳票を作成したり、記録漏れがあったりすると評価に影響する可能性があります。

評価項目Ⅱ 事故や違反(行政処分)の状況

二つ目の評価項目は、事故や行政処分の状況です。
重大事故や法令違反、行政処分などの実績は、安全管理体制を判断する重要な要素となります。
ただし、「事故が一件でもあれば認定されない」という単純なものではありません。
事故や行政処分の内容、評価対象期間などに基づいて採点されるため、詳細な評価方法は申請年度の募集要領で確認する必要があります。

評価項目Ⅲ 安全性に対する取組の積極性

三つ目の評価項目は、安全管理へ積極的に取り組んでいるかを評価する項目です。
法令で義務付けられている事項を実施するだけでなく、それを上回る自主的な取組も評価対象となります。
例えば、安全教育の充実、健康起因事故防止への取組、安全機器の導入・活用、安全表彰制度など、安全性向上へ継続して取り組んでいる営業所が評価されます。
なお、この評価項目は募集要領の改正に合わせて評価内容が見直されることがあります。前年の資料だけで準備するのではなく、申請年度の最新の募集要領を確認することが重要です。

Gマーク審査で最も重要なのは「継続した安全管理」

実務で多く見られる誤解が、「申請前だけ準備すればよい」という考え方です。
しかし、Gマークで確認される帳票や記録は、日々の運行管理や安全管理の積み重ねによって作成されるものです。
例えば、点呼記録簿や運転者教育記録は、申請直前にまとめて作成できるものではありません。
日常業務の中で適切に実施し、その結果を継続して記録・保存している営業所ほど、無理なく申請準備を進めることができます。

審査で評価されるのは営業所の日常管理

Gマークの審査では、多くの帳票や資料を提出します。
しかし、本当に評価されるのは帳票そのものではありません。
提出された帳票や記録を通じて、「この営業所では法令を遵守し、安全管理が継続して行われているか」が確認されます。
そのため、認定を目指すのであれば、申請書類の作成だけに力を入れるのではなく、営業所全体で安全管理を日常業務として継続することが何より重要です。

第5章 評価項目Ⅰ 安全性に対する法令の遵守状況

Gマークの審査で最も配点が高いのが、「評価項目Ⅰ 安全性に対する法令の遵守状況」です。
配点は40点、基準点は32点です。評価項目Ⅰで基準点を下回ると、総合点が80点以上であっても認定を受けることはできません。
この評価項目では、営業所が貨物自動車運送事業法や関係法令に基づく運行管理・整備管理を適切に実施しているかが確認されます。

確認されるのは「帳票」ではなく日常管理

審査では、多くの帳票や記録を提出します。
しかし、本当に評価されるのは帳票そのものではありません。
提出された資料を通じて、「営業所で日常的に法令を遵守し、安全管理が継続して行われているか」が確認されます。
そのため、申請前だけ帳票を整えても十分ではありません。日頃から適切な運行管理を行い、その結果を記録として残していることが重要です。

点呼の実施状況

点呼は、安全運行の基本となる業務です。
乗務前・乗務後の点呼が適切に実施され、酒気帯びの有無、健康状態、日常点検の実施状況、運行指示などが記録されているかが確認されます。
点呼記録簿に記載漏れがあったり、実際には点呼を行っていないにもかかわらず記録だけを作成していたりすると、法令遵守の面で大きな問題となります。

運転者台帳・教育記録

運転者台帳は、運転者ごとの資格や適性診断の受診状況、健康診断の実施状況などを管理する重要な帳票です。
また、運転者教育についても、法令で求められる教育が実施され、その内容や実施日、受講者などが記録されていることが求められます。
教育を実施していても記録が残されていなければ、審査では実施したことを確認できません。

健康管理・適性診断

運転者の健康管理も重要な評価対象です。
定期健康診断の実施状況や、初任運転者、高齢運転者、事故惹起運転者に対する適性診断の受診状況などが確認されます。
健康起因事故の防止が社会的に重視される中、健康管理を継続して実施している営業所であることを示すことが重要です。

整備管理

安全な運行を支えるためには、車両の整備管理も欠かせません。
整備管理者の選任、日常点検、定期点検、整備記録などが適切に実施・保存されているかが確認されます。
車両の整備不良は重大事故につながる可能性があるため、日頃から適切な管理を継続することが求められます。

記録の保存も法令遵守の一部

点呼、教育、健康診断、整備管理などは、実施するだけでは十分ではありません。
法令で定められた保存期間に従って記録を保管し、必要なときに提示できる状態にしておくことも重要です。
審査では、「実施した」という説明ではなく、その事実を客観的に示す記録によって確認されます。

日常管理の積み重ねが評価につながる

評価項目Ⅰは、申請前だけ努力しても高得点を取ることは難しい項目です。
日々の点呼、運転者教育、健康管理、整備管理などを継続し、その内容を正確に記録している営業所ほど、無理なく基準点を満たすことができます。


Gマークの審査は、営業所の日常管理を確認する機会でもあります。

そのため、認定取得を目標とするだけではなく、安全管理を日常業務として継続することが、結果としてGマーク取得にもつながります。

第6章 評価項目Ⅱ 事故や違反(行政処分)の状況

評価項目Ⅱでは、営業所における事故や行政処分の状況を確認します。
配点は40点、基準点は21点です。評価項目Ⅰと同様に、この基準点を下回ると、総合点が80点以上であってもGマークの認定を受けることはできません。
この評価項目は、「事故があったか」「行政処分を受けたか」という結果だけを確認するものではありません。
事故や法令違反の発生状況を通じて、営業所の日頃の安全管理が適切に行われているかを評価する項目です。

事故が一件でもあると認定されないのか

「事故を一件でも起こしたらGマークは取得できない」と思われることがありますが、そのような仕組みではありません。
審査では、評価対象期間中に発生した事故について、その内容や重大性などを募集要領に定められた基準に基づいて評価します。
そのため、単純に事故件数だけで判断されるわけではありません。
事故の種類や評価方法については、毎年度の募集要領で確認することが重要です。

行政処分は重要な評価対象

行政処分の有無も、評価項目Ⅱの重要な確認事項です。
貨物自動車運送事業法などに基づく行政処分は、安全管理体制に課題があったことを示す客観的な事実であるため、審査にも大きく影響します。
例えば、次のような法令違反は、安全運行に直結する事項として特に注意が必要です。

①点呼の未実施
②過労運転防止措置義務違反
③運転者に対する指導監督義務違反
④整備管理体制の不備

これらは日頃の運行管理を適切に行うことで防ぐことができます。

巡回指導と行政処分は異なる

巡回指導で改善を求められたことと、行政処分を受けたことは同じではありません。
巡回指導では、帳票の記載漏れや管理方法などについて改善を求められることがありますが、それだけで直ちに行政処分となるわけではありません。
一方、重大な法令違反が認められた場合や、改善命令に従わない場合などは、行政処分の対象となることがあります。
巡回指導で指摘を受けた事項は放置せず、早期に改善することが重要です。

事故発生後の対応も重要

事故を完全になくすことは容易ではありません。
そのため、事故が発生した後に営業所としてどのような対応を行ったかも重要になります。
事故原因を分析し、再発防止策を検討し、その内容を運転者教育へ反映し、記録として保存していれば、安全管理を継続的に改善している営業所と評価されます。
反対に、事故報告書を作成するだけで終わり、原因分析や再発防止が行われていない場合は、安全管理上の課題と受け止められる可能性があります。

小さな不備が重大な違反につながる

行政処分を受ける営業所の多くは、突然重大な法令違反を起こすわけではありません。
点呼記録の記載漏れ、運転者教育の未実施、健康診断の管理不足など、小さな不備が積み重なった結果として重大な法令違反につながるケースが少なくありません。
そのため、日頃から帳票や運行管理体制を点検し、小さな問題の段階で改善していくことが重要です。

評価項目Ⅰと評価項目Ⅱは密接に関係している

評価項目Ⅱは、事故や行政処分という結果だけを見る項目ではありません。
日々の点呼、運転者教育、健康管理、整備管理など、評価項目Ⅰで求められる法令遵守を継続した結果が、事故や行政処分の状況として表れます。
つまり、評価項目Ⅰと評価項目Ⅱは、それぞれ独立した評価項目ではありますが、実務では密接に関係しています。
営業所全体で安全管理を継続し、小さな問題を放置せず改善していくことが、事故や法令違反の防止につながり、Gマークの取得や更新にも結び付きます。

第7章 評価項目Ⅲ 安全性に対する取組の積極性

評価項目Ⅲでは、法令で義務付けられている事項を実施するだけではなく、営業所が安全性向上のために自主的な取組を継続しているかが評価されます。
配点は20点、基準点は12点です。配点は評価項目Ⅰ、Ⅱより少ないものの、この基準点を下回ると総合点が80点以上であってもGマークの認定を受けることはできません。
評価項目Ⅰが「法令を守っているか」、評価項目Ⅱが「その結果として事故や行政処分の状況はどうか」を確認する項目であるのに対し、評価項目Ⅲでは「さらに安全性を高めるためにどのような取組を行っているか」が確認されます。

自主的な安全活動が評価される

運送会社では、法令で定められた運行管理や整備管理を行うことが基本です。
評価項目Ⅲでは、それに加えて営業所独自の安全活動や改善活動が継続して行われているかが確認されます。
例えば、安全教育の充実、安全会議の開催、健康起因事故防止への取組、ドライブレコーダーやデジタルタコグラフの活用など、安全性向上に向けた活動が評価対象となります。

安全機器は導入するだけでは十分ではない

近年は、ドライブレコーダー、デジタルタコグラフ、バックアイカメラ、衝突被害軽減ブレーキなど、安全機器を導入する営業所が増えています。
しかし、機器を導入しただけで高い評価を受けられるわけではありません。
記録を分析して運転者教育に活用したり、事故防止活動へ反映したりするなど、日常の安全管理に生かしていることが重要です。

健康管理への取組

安全運行を支えるためには、車両だけではなく運転者の健康管理も欠かせません。
健康診断の受診状況を確認するだけでなく、生活習慣病対策や睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策、脳ドックや心疾患対策など、健康起因事故を防止するための自主的な取組を行っている営業所もあります。このような継続した活動は、安全性向上への積極的な取組として評価されます。

安全教育を継続することが重要

安全教育は、一度実施すれば終わりではありません。
ヒヤリ・ハット事例の共有、事故原因の分析、季節ごとの安全対策などを継続して行うことで、運転者一人ひとりの安全意識を高めることができます。
教育を実施した内容や参加者を記録として残しておくことも重要です。

営業所全体で安全文化を育てる

評価項目Ⅲで確認されるのは、特定の担当者だけが努力しているかどうかではありません。
管理者、事務職員、運転者が一体となって安全活動に取り組み、その取組が営業所全体に定着しているかが重要になります。
安全会議や情報共有、事故防止活動を継続することで、安全を最優先に考える職場づくりにつながります。

継続した取組が高い評価につながる

評価項目Ⅲは、短期間で準備できる項目ではありません。
安全活動を継続し、その内容を記録として残し、改善を積み重ねている営業所ほど高い評価につながります。
Gマークは、法令を守っている営業所を認定するだけではなく、安全性向上のために継続して努力している営業所を評価する認定でもあります。
そのため、評価項目Ⅲは、営業所の安全に対する姿勢を示す重要な評価項目といえます。

第8章 Gマーク申請の流れ

ステップアップ フローチャート

Gマークを取得するためには、募集期間内に必要書類を提出し、所定の審査を受ける必要があります。
申請は一日で完了するものではありません。
点呼や運転者教育などの日常管理を継続しながら、必要書類を準備し、営業所全体で申請に向けた確認を進めることが重要です。

募集要領を確認する

最初に確認すべきなのが、申請年度の募集要領です。
募集期間、申請方法、提出書類、審査基準などは、公益社団法人全日本トラック協会から毎年公表されます。
評価項目や提出書類が見直されることもあるため、前年の資料ではなく、必ず最新の募集要領を確認してください。

申請前に営業所の状況を確認する

書類を作成する前に、営業所の安全管理体制を確認します。

①点呼記録簿
②運転者台帳
③運転者教育記録
④健康診断の実施状況
⑤適性診断の受診状況
⑥整備管理関係書類

などに記載漏れや不足がないかを確認します。
この段階で不備が見つかることは珍しくありません。
申請直前になって慌てないためにも、早めに確認を始めることが重要です。

必要書類を準備する

営業所の状況を確認した後、募集要領に従って必要書類を準備します。
提出書類には、営業所の基本情報だけでなく、安全管理に関する資料や各種帳票なども含まれます。
書類によっては準備に時間がかかるものもあるため、募集期間が始まってからではなく、事前に準備を進めておくことをおすすめします。

申請書類を提出する

必要書類がそろったら、募集期間内に申請を行います。
提出方法は募集年度によって変更される場合がありますので、募集要領の案内に従って提出してください。
提出期限を過ぎると受け付けてもらえませんので、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。

審査結果の通知

提出された書類は所定の審査を経て評価されます。
審査では、第4章で説明した3つの評価項目に基づき、営業所の日常管理や安全への取組が総合的に確認されます。
認定基準を満たした営業所には、安全性優良事業所として認定され、Gマークを表示することができます。

認定後も安全管理は続く

Gマーク取得はゴールではありません。
認定後も、点呼、運転者教育、健康管理、整備管理などを継続し、日常の安全管理を維持することが求められます。
更新時には、認定後の取組状況も確認されます。
そのため、認定を取得した後も帳票を適切に管理し、安全活動を継続することが重要です。

申請準備は早めに始めることが成功への近道

Gマークの申請で最も多い失敗は、募集開始後に準備を始めることです。
帳票の記載漏れや教育記録の不足などは、短期間では対応できない場合があります。
そのため、募集要領が公表される前から営業所の管理状況を確認し、日常業務の中で必要な記録を積み重ねておくことが、無理なく認定を取得するための近道といえます。

第9章 Gマーク申請前に準備しておきたいこと

Gマークの申請では、募集期間が始まってから準備を始める営業所も少なくありません。
しかし、点呼記録や運転者教育記録などは、申請直前にまとめて作成できるものではありません。
日常業務の中で適切に実施し、その内容を継続して記録していることが、円滑な申請につながります。

点呼記録を確認する

点呼記録簿は、Gマーク審査でも特に重要な帳票の一つです。
乗務前・乗務後の点呼が適切に実施され、酒気帯びの有無、健康状態、日常点検の確認、運行指示などが正しく記録されているかを確認します。
記載漏れや押印漏れ、記録内容の不備がないかを、事前に点検しておくことが大切です。

運転者台帳・教育記録を整理する

運転者台帳には、運転免許証の有効期限、適性診断の受診状況、健康診断の実施状況などが適切に記載されている必要があります。
また、運転者教育についても、実施日時、教育内容、受講者などが記録されているかを確認します。
教育を実施していても記録が残っていなければ、審査では確認することができません。

健康管理の状況を確認する

健康診断の未受診者がいないか、適性診断が必要な運転者に漏れがないかを確認します。
特に初任運転者、高齢運転者、事故惹起運転者については、法令で定められた適性診断が実施されているかを事前に確認しておくことが重要です。

整備管理関係の書類を確認する

整備管理者の選任状況、定期点検、日常点検、整備記録などについても確認します。
必要な記録が保存されているか、整備管理体制に不備がないかを見直しておくことで、申請準備を円滑に進めることができます。

記録の保存状況を確認する

Gマークの審査では、多くの帳票や記録が確認されます。
そのため、必要な書類が適切に整理・保存され、必要なときにすぐ提示できる状態になっていることも重要です。
担当者しか分からない保管方法ではなく、営業所として管理方法を統一しておくことが望まれます。

社内で事前点検を実施する

申請前には、営業所内で自主点検を実施することをおすすめします。
第三者の視点で帳票を確認すると、普段は気付かなかった記載漏れや管理上の課題が見つかることがあります。
運行管理者、整備管理者、管理者が協力して点検を行うことで、申請時の不備を減らすことができます。

申請直前に慌てないことが重要

Gマーク取得に向けた準備は、募集開始後に始めるものではありません。
日頃から点呼、運転者教育、健康管理、整備管理を適切に実施し、その結果を正確に記録していれば、申請時に慌てて帳票を作成する必要はありません。
Gマーク取得のための準備は、特別な業務ではなく、営業所の日常管理を着実に積み重ねることです。
その積み重ねが、認定取得だけでなく、巡回指導や監査への対応、さらには事故防止にもつながります。

第10章 Gマーク申請でよくある失敗

Gマークの申請では、多くの営業所が同じような失敗をしています。
その多くは、難しい法令解釈が原因ではなく、日頃の管理不足や準備不足によるものです。
ここでは、実際によく見られる失敗例と、その対策を紹介します。

申請直前になって準備を始める

最も多いのが、募集開始後に慌てて準備を始めるケースです。
Gマークで確認される点呼記録、運転者教育記録、健康診断、適性診断などは、申請直前にまとめて作成できるものではありません。
募集が始まる前から営業所の管理状況を確認し、日常業務の中で必要な記録を積み重ねておくことが重要です。

帳票の記載漏れや保存漏れ

点呼記録簿や運転者台帳などは作成していても、記載漏れや保存漏れが見つかることがあります。

①点呼時刻の記載漏れ
②酒気帯び確認結果の記録漏れ
③教育実施日の記載漏れ
④健康診断結果の未整理

といった不備は、日頃から確認していれば防ぐことができます。
帳票は作成するだけではなく、記載内容まで確認することが大切です。

教育は実施していても記録が残っていない

安全教育を実施していても、教育記録が作成されていない営業所は少なくありません。
審査では、「教育を実施しました」という説明だけでは十分ではありません。
実施日、教育内容、参加者などを記録として残し、必要に応じて提示できる状態にしておくことが求められます

担当者任せになっている

Gマークの準備を一人の担当者だけに任せてしまうケースもあります。
しかし、点呼は運行管理者、整備管理は整備管理者、健康管理は総務担当など、複数の担当者が関わる事項です。
営業所全体で役割を分担し、情報を共有しながら準備を進めることが重要です。

募集要領を十分に確認していない

前年の資料だけを参考にして準備を進める営業所もあります。
しかし、募集要領や提出書類、評価方法は見直されることがあります。
申請年度の最新の募集要領
を確認し、それに基づいて準備を進めることが重要です。

Gマーク取得をゴールと考えてしまう

Gマークは取得したら終わりではありません。
認定後も、安全管理を継続し、更新時にはその取組状況が確認されます。
認定取得だけを目標にすると、更新時に帳票や管理体制が維持されておらず、苦労するケースもあります。

日常管理の積み重ねが最大の対策

ここまで紹介した失敗の多くは、特別な知識が不足していることが原因ではありません。
日頃から点呼、運転者教育、健康管理、整備管理を適切に実施し、その内容を正確に記録していれば、多くの問題は防ぐことができます。
Gマークの申請は、営業所の日常管理を改めて確認する機会でもあります。
そのため、申請書類を整えることだけではなく、営業所全体で安全管理を継続することが、認定取得への最も確実な近道といえます。

第11章 Gマークと巡回指導・監査の関係

Gマークを取得すると、「巡回指導や監査を受けなくなる」と思われることがあります。
しかし、そのようなことはありません。
Gマークは、安全管理への取組を第三者が評価する認定であり、巡回指導や監査とは目的も実施主体も異なります。
それぞれの違いを理解しておくことが重要です。

巡回指導とは

巡回指導は、適正化事業実施機関が営業所を訪問し、法令に基づく運行管理や整備管理が適切に行われているかを確認し、必要に応じて改善を促すものです。
点呼記録簿、運転者台帳、運転日報、教育記録など、多くの帳票が確認されます。
巡回指導の目的は、法令違反を摘発することではなく、営業所が適切な管理を継続できるよう支援し、改善につなげることにあります。

監査とは

監査は、国土交通省地方運輸局などが実施する行政上の調査です。
重大事故の発生、巡回指導で重大な問題が認められた場合、法令違反に関する情報提供があった場合などに実施されることがあります。
監査では、法令違反の有無について詳細な確認が行われ、違反が認められた場合には、行政処分などの対象となることがあります。
巡回指導と比べて、より厳格な確認が行われる点が特徴です。

Gマーク取得と巡回指導・監査は別の仕組み

Gマークを取得している営業所であっても、巡回指導や監査の対象となることがあります。
反対に、Gマークを取得していない営業所であっても、日頃から適切な安全管理を行っていれば、巡回指導で大きな問題を指摘されない場合もあります。
つまり、Gマークの有無だけで巡回指導や監査の対象が決まるわけではありません。

日常管理が共通するポイント

Gマーク、巡回指導、監査は、それぞれ目的は異なりますが、確認される内容には共通点があります。

①点呼の実施状況
②運転者教育
③健康管理
④運転者台帳
⑤整備管理
⑥各種帳票の作成・保存

などは、いずれにおいても重要な確認事項です。
日頃から適切な管理を行っていれば、Gマークの取得だけでなく、巡回指導や監査への対応にもつながります。

Gマーク取得後も管理を継続することが重要

認定を取得した後に管理がおろそかになると、帳票の記載漏れや教育の未実施などが積み重なり、巡回指導や監査で指摘を受ける原因になります。
そのため、認定取得後も点呼、運転者教育、健康管理、整備管理を継続し、記録を適切に保存しておくことが重要です。
Gマークは、安全管理への取組を継続している営業所を評価する認定です。
認定取得を一つの目標としながらも、その後の日常管理を維持することが、安全運行と法令遵守につながります。

Gマークは日常管理の結果として取得するもの

Gマーク取得のためだけに帳票を整えたり、一時的に安全活動を強化したりしても、その状態を継続できなければ更新時や巡回指導で課題が表面化する可能性があります。
日々の運行管理、整備管理、運転者教育、健康管理を着実に実施し、その結果としてGマークを取得し、維持していくことが理想的な姿です。
営業所全体で安全管理を継続することが、事故防止、法令遵守、そして荷主や地域社会からの信頼につながります。

第12章 Gマーク取得のメリット

Gマークは、安全管理への取組を第三者が評価する認定制度です。
認定を取得すること自体が目的ではありませんが、取得することでさまざまなメリットがあります。
ここでは、運送会社にとって主なメリットを紹介します。

荷主からの信頼向上

Gマーク取得の最も大きなメリットは、荷主や取引先からの信頼向上です。
Gマークは、安全管理への取組が一定の基準を満たしていることを第三者が認定する仕組みであるため、安全を重視する荷主に対して客観的な説明材料となります。
新規取引先の開拓や既存取引先との関係維持にも役立つ場合があります。

社内の安全意識が向上する

Gマーク取得を目指す過程では、点呼、運転者教育、健康管理、整備管理など、日常の安全管理を見直す機会になります。
また、認定取得後も継続した管理が求められるため、運転者や管理者の安全意識向上にもつながります。

採用活動でアピールできる

求職者の中には、安全管理を重視する会社で働きたいと考える人も少なくありません。
会社案内や採用ホームページなどでGマーク取得を紹介することで、安全を重視する会社であることを伝えることができます。

損害保険や助成で優遇措置がある

Gマーク認定事業所については、損害保険料の割引や、都道府県トラック協会による各種助成の優遇などが設けられている場合があります。
優遇内容は取扱いによって異なるため、利用する際には最新の内容を確認することが大切です。

日常管理の改善につながる

Gマーク取得の準備では、帳票類や管理体制を見直すことになります。
その結果、記録漏れや管理上の課題が明らかになり、安全管理の改善につながることがあります。
認定取得後も改善活動を継続することで、事故防止や法令遵守の強化につながります。

メリットを生かすためには継続が重要

Gマークは取得しただけで効果が生まれるものではありません。
認定後も点呼、運転者教育、健康管理、整備管理を継続し、安全管理を維持してこそ、その価値を十分に生かすことができます。
Gマークを一つの目標として終わらせるのではなく、安全管理を継続するための取組として活用することが、認定制度の本来の目的といえます。

第13章 Gマーク取得までのスケジュールと準備の進め方

Gマークの申請では、多くの書類や管理記録が必要になります。

そのため、募集開始後に準備を始めるのではなく、年間を通じて計画的に取り組むことが重要です。

募集要領を早めに確認する

Gマークの申請は毎年募集要領が公表されます。
募集期間や提出書類、評価方法などを確認し、どのような準備が必要になるのかを早めに把握しておきましょう。
前年の募集要領だけを参考にするのではなく、必ず申請年度の最新の募集要領を確認することが大切です。

日常管理を継続する

点呼、運転者教育、健康管理、整備管理などは、申請時だけ実施すればよいものではありません。
毎日の業務として継続し、その内容を正確に記録しておくことが重要です。
日常管理が適切に行われていれば、申請時に慌てて帳票を整える必要はありません。

定期的に帳票を確認する

点呼記録簿や運転者台帳などは、定期的に記載漏れや保存漏れがないか確認しましょう。
毎月確認する仕組みをつくることで、小さな不備を早期に発見し、改善することができます。

役割分担を明確にする

Gマークの準備は、一人だけで進めるものではありません。
運行管理者、整備管理者、総務担当者など、それぞれが担当する業務を整理し、営業所全体で協力しながら準備を進めることが重要です。

余裕を持って申請する

募集期間の直前になると、書類の確認や修正に追われることがあります。
不足書類や記載漏れが見つかった場合にも対応できるよう、余裕を持って準備を進めることが大切です。

計画的な準備が認定取得への近道

Gマーク取得で最も重要なのは、申請書類を作成することではなく、日常管理を継続することです。
年間を通じて安全管理を積み重ね、その結果として申請を行うことで、無理のない形で認定取得を目指すことができます。
計画的な準備は、Gマーク取得だけでなく、巡回指導や監査への対応、安全管理の向上にもつながります。

第14章 Gマーク取得後に取り組むべきこと

Gマークは、認定を取得した時点がゴールではありません。
認定後も、安全管理を継続し、営業所全体で改善を積み重ねていくことが重要です。
日々の取組を継続することによって、更新審査への対応だけでなく、事故防止や荷主からの信頼向上にもつながります。

点呼・運転者教育を継続する

点呼や運転者教育は、認定取得後も最も重要な業務です。
点呼では、酒気帯びの有無や健康状態を確認し、安全な運行ができる状態であることを確認します。
また、運転者教育では、事故防止、法令改正、ヒヤリ・ハット事例などを継続的に取り上げ、運転者一人ひとりの安全意識を高めることが大切です。
教育を実施した内容は、記録として適切に保存しておきましょう。

帳票を正確に作成・保存する

Gマーク取得後も、点呼記録簿、運転者台帳、教育記録、整備記録などの帳票は継続して作成・保存する必要があります。
記録漏れや保存漏れが続くと、更新審査や巡回指導で課題となる可能性があります。
担当者任せにするのではなく、営業所全体で定期的に確認する仕組みをつくることが重要です。

事故防止活動を継続する

事故を防ぐためには、日頃から安全活動を継続することが欠かせません。
事故やヒヤリ・ハットが発生した場合には、その原因を分析し、再発防止策を検討して運転者教育へ反映します。
このような改善活動を繰り返すことが、安全管理の向上につながります。

巡回指導・監査への備え

Gマークを取得していても、巡回指導や監査の対象となることがあります。
しかし、日常業務の中で適切な運行管理や整備管理を継続していれば、特別な準備をする必要はありません。
「認定を取得したから安心」ではなく、「いつ確認を受けても対応できる状態」を維持することが大切です。

更新を見据えた管理を行う

更新審査では、認定取得後の安全管理の状況も確認されます。
そのため、更新時期が近づいてから帳票を整えるのではなく、認定期間を通じて継続した管理を行うことが重要です。
日常業務の積み重ねが、そのまま更新審査への準備になります。

Gマークを営業活動にも生かす

Gマークは、安全管理への取組を客観的に示す認定です。
そのため、会社案内、ホームページ、採用活動、営業資料などで適切に紹介することで、安全を重視する会社であることを取引先や求職者へ伝えることができます。
ただし、Gマークを取得していることだけを強調するのではなく、その背景にある安全活動や法令遵守への取組もあわせて伝えることが、より高い信頼につながります。

日常管理を継続することが最大のポイント

Gマーク取得後に最も重要なのは、特別なことをすることではありません。
点呼、運転者教育、健康管理、整備管理などを日常業務として着実に継続し、その内容を正確に記録することです。
その積み重ねが、更新審査への対応だけでなく、事故防止、法令遵守、荷主からの信頼向上につながります。
Gマークは認定証を取得することが目的ではなく、安全管理を継続している営業所であることを社会へ示す認定です。
認定取得後も、営業所全体で安全管理に取り組み続けることが、Gマークの価値を生かすことにつながります。

第15章 Gマークに関するよくある質問(Q&A)

Q&A

Gマークについては、申請を検討している運送会社からさまざまな質問をいただきます。
ここでは、特によくある質問について解説します。

Q1 Gマークを取得しないと運送業は続けられませんか?

いいえ。
Gマークは任意の認定制度であり、取得しなければ運送事業を行えないというものではありません。
ただし、荷主が協力会社を選定する際の評価項目として活用されることがあり、営業面で有利に働く場合があります。

Q2 新規許可を取得したばかりでも申請できますか?

申請できますが、一定期間の実績など募集要領で定められた要件を満たす必要があります。毎年、募集要領が公表されますので、最新の要件を確認してください。

Q3 営業所ごとに申請するのですか?

はい。
Gマークは会社単位ではなく、営業所単位で認定されます。
そのため、複数の営業所がある場合は、それぞれの営業所ごとに要件を満たし、申請する必要があります。

Q4 認定されたら更新は必要ですか?

必要です。
Gマークには有効期間があり、継続して認定を受けるためには更新審査を受けなければなりません。
更新時にも、安全管理への取組状況が確認されます。

Q5 Gマークを取得すると巡回指導や監査は受けなくなりますか?

いいえ。
Gマーク取得の有無にかかわらず、巡回指導や監査の対象となることがあります。
認定取得後も、点呼や運転者教育などの日常管理を継続することが重要です。

Q6 申請書類だけ整えれば認定を受けられますか?

いいえ。
Gマークは、書類だけを評価する仕組みではありません。
日頃から適切な安全管理を実施し、その内容を帳票などで確認できることが重要です。
申請直前だけ帳票を整えても、継続した管理が行われていなければ、高い評価を得ることは難しくなります。

Q7 事故を起こしたら認定を受けられませんか?

事故が発生したという理由だけで、直ちに認定を受けられなくなるわけではありません。
事故の内容や行政処分の有無などが評価に影響する場合があります。
事故が発生した際には、原因を分析し、再発防止に取り組むことが重要です。

Q8 行政書士へ依頼するメリットはありますか?

Gマークの申請では、募集要領の確認、必要書類の整理、評価項目の確認など、多くの準備が必要になります。
行政書士へ依頼することで、申請手続だけではなく、営業所の管理体制や帳票類の確認についても助言を受けられる場合があります。
ただし、点呼や運転者教育などの日常管理そのものは、営業所が主体となって継続して実施しなければなりません。

Q9 更新時だけ依頼すれば十分ですか?

更新前だけ準備を始めると、帳票の記載漏れや保存漏れが見つかり、短期間での対応が難しくなることがあります。
更新時期だけではなく、日頃から安全管理を継続し、定期的に管理状況を確認しておくことが、更新審査を円滑に進めるポイントです。

Q10 Gマーク取得で最も重要なことは何ですか?

最も重要なのは、認定を取得することではなく、安全管理を継続することです。
点呼、運転者教育、健康管理、整備管理を日常業務として着実に実施し、その内容を正確に記録することが、Gマーク取得にも更新にもつながります。
営業所全体で安全管理に取り組む姿勢こそが、Gマークの本来の目的といえます。

第16章 まとめ

まとめ①

Gマークは、運送会社の安全管理への取組を第三者が評価する認定制度です。
認定を取得することで、安全に対する姿勢を荷主や取引先へ客観的に示すことができ、企業の信頼性向上にもつながります。

重要なのは、点呼、運転者教育、健康管理、整備管理などを日常業務として継続し、安全運行を支える体制を維持していくことです。
本書では、Gマークの概要から申請要件、評価項目、申請手続、認定後の管理までを順を追って解説しました。
Gマークの審査で確認される内容の多くは、巡回指導や監査でも重要となる事項です。
そのため、日頃から適切な運行管理と安全管理を継続していれば、Gマーク取得だけでなく、巡回指導や監査への対応にもつながります。
また、物流業界では法令遵守や安全管理への社会的な要請が年々高まっています。

荷主も委託先を選定する際には、安全管理への取組を重要な評価項目の一つとして考えるようになってきました。
そのような中で、Gマークは安全管理を継続している営業所であることを示す一つの指標として、今後も重要な役割を果たしていくと考えられます。
認定取得のためだけに一時的な対応を行うのではなく、営業所全体で日常管理を積み重ね、その結果としてGマークを取得し、維持していくことが大切です。

安全管理に終わりはありません。

日々の点呼、教育、健康管理、整備管理を着実に実施し、事故を未然に防ぎ、法令を遵守し続けることが、安全で信頼される運送会社への第一歩となります。